厚生労働省職員の年収は800万円?

厚生労働省が「個別事業のフルコスト情報」を公表しました。

厚生労働省:個別事業のフルコスト情報の開示について
http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/other/h28/fullcost.html

これは、政策別(事業別)のコストを開示したものです。
民間の上場会社の「セグメント情報」のようなものです。

「個別事業のフルコスト情報」を公表した理由については、こう書かれています。

 厚生労働省の省庁別財務書類や政策別コスト情報の参考情報として、個別事業のフルコスト情報を国民の皆様に開示することにより、国民の皆様に厚生労働省の政策に関する理解を深めていただくとともに、厚生労働省職員のコスト意識を向上させ、より効率的・効果的な事業の執行に努めてまいります。

ただし、「個別事業のフルコスト情報」を読んでも、それぞれの事業のコストが高いのかどうか、判断することはできません。なぜなら、政府の提供しているサービスには、市場価格がないからです。民間企業では、同業他社と比較するということが出来ますが、政府の場合にはそれが出来ないのです。

ではなぜ、「個別事業のフルコスト情報」をこのブログで取り上げるのか。それは、厚生労働省の職員の年収が分かってしまうからです。

「個別事業のフルコスト情報の開示」には、各事業別の人件費と人員数が載っています。
そして、人件費を人員数で割ると、職員の一人当たりの人件費が分かってしまいます。
職員の一人当たりの人件費とは、すなわち職員一人当たりの給料と考えて良いでしょう。

それでは、実際に職員の一人当たりの人件費を計算してみます。

 

労災保険給付業務

金額(百万円) 人員数 一人当たり金額(円)
人件費(給料) 15,854 1,975 8,027,342
退職給付引当金繰入額(退職金) 1,223 1,975 619,241
賞与引当金繰入額(賞与) 1,052 1,975 532,658
年収(推定) ※給料+賞与 8,560,000
退職金(推定) ※勤続年数40年 24,769,620

失業等給付関係業務

金額(百万円) 人員数 一人当たり金額(円)
人件費(給料) 15,158 2,045 7,414,038
退職給付引当金繰入額(退職金) 1,016 2,045 496,943
賞与引当金繰入額(賞与) 922 2,045 450,966
年収(推定) ※給料+賞与 7,865,004
退職金(推定) ※勤続年数40年 19,877,721

 

特別児童扶養手当給付事業

金額(百万円) 人員数 一人当たり金額(円)
人件費(給料) 41 3 13,666,667
退職給付引当金繰入額(退職金) 3 3 1,000,000
賞与引当金繰入額(賞与) 3 3 1,000,000
年収(推定) ※給料+賞与 14,666,667
退職金(推定) ※勤続年数40年 40,000,000

 

生活保護費負担金の交付業務

金額(百万円) 人員数 一人当たり金額(円)
人件費(給料) 29 2 14,500,000
退職給付引当金繰入額(退職金) 3 2 1,500,000
賞与引当金繰入額(賞与) 1 2 500,000
年収(推定) ※給料+賞与 15,000,000
退職金(推定) ※勤続年数40年 60,000,000

 

平均すると、年収は約800万円、退職金は約2000万円です。

 

では、この金額は高いのか低いのか。

これについては、比較対象があります。それは、社会保険労務士です。社会保険労務士は、社会保険や年金、労働保険に関する専門知識を持っており、厚生労働省職員と同等の専門性を持っているといってよいでしょう。

社会保険労務士の平均年収は、670万円です(社労士(社会保険労務士)の年収【独立・事務所勤務】や20~65歳の年齢別・業種別・都道府県別年収推移|平均年収.jp)。

社会保険労務士の平均年収と比べると、厚生労働省職員の方が約130万円高いですね。

 

労働市場においては、同等の能力を持つ人間がいれば、賃金が安い方を選ぶのは当然のことです。それが、資本主義です。
資本主義の理屈からいえば、厚生労働省の職員の給料を社会保険労務士の給料まで下げるか、それができなければ、厚生労働省の職員を解雇して社会保険労務士に置き換えるべきなのです。

 

民間では、赤字企業の従業員は、一生懸命働いたとしても、給料を減らされるのは当然のことです。

厚生労働省が所管する年金や健康保険などの社会保険財政は悪化しているのですから、厚生労働省の職員が民間より多く給料をもらうのは、おかしいと私は思います。

私は今から目指すことはできませんが、学生の皆さんは、今から国家公務員を目指して、高給取りになりましょう(笑)


補足

人事院「平成29年国家公務員給与等実態調査」では、国家公務員の平均給与月額416,969円で、年収換算すると約500万円です。

上に書いた平均年収800万円とは300万円の開きがありますが、これは「平成29年国家公務員給与等実態調査」では、非正規職員の給与が含まれているからです。

 

3 調査対象

給与法の適用を受ける常勤職員(在外公館に勤務する職員、休職者、派遣職員(専ら派遣先の業務に従事する職員に限る。)、育児休業中の職員、育児短時間勤務職員、自己啓発等休業中の職員、配偶者同行休業中の職員及び1年以内の任期を限って任用された者を除く。ただし、(3)については再任用職員を調査対象とする。)並びに任期付研究員法及び任期付職員法の適用を受ける職員(1年以内の人気を限って任用された者を除く。)で次に該当する者
(1)平成29年1月15日に在職する者
(2)平成29年1月16日から同年4月1日までの間に採用され同日に在職する者(人事交流等により採用された者を除く。以下「採用者」という。)
(3)平成29年4月1日に在職する再任用職員

(人事院給与局「平成29年国家公務員給与等実態調査 報告書」より引用)

「平成29年国家公務員給与等実態調査」では、任期1年以上の非正規職員は、調査対象に含まれてしまっているのです。

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