【書評】『FX 億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』

おすすめ度

(スイングトレード・ポジショントレードがメインの長期トレーダー)★★★☆☆(3/5)

(スキャルピング・デイトレードがメインの短期トレーダー)★★★★☆(4/5)


ラジオNIKKEIや日経CNBCに出演するアナウンサーが、FXの勝ち組トレーダーに、勝ち続けるための考え方ややり方を取材した本です。

FXのトレード手法は、時間軸によって、下記の4つに分類できます。

  • スキャルピング(数秒~数分の超短期トレード)
  • デイトレード(数分~1日の短期トレード)
  • スイングトレード(1日~数週間の中期トレード)
  • ポジショントレード(数週間以上の長期トレード)

この本に登場する7人のトレーダーは、スキャルピングやデイトレードをメインとする方が多く、チャートを重視する方が多いです。

しかし、スイングトレードやポジショントレードを行う長期投資で役に立つ考え方や手法も紹介されています。

評論家の相場観を鵜呑みにしてはいけない

人の言葉を信じてポジションを取ったのも失敗の一因だと思います。FXを始めてしばらく経ってからのことですが、いろいろトレードを試行錯誤するなかで、メディアなどで取り上げられている、アナリストと称している人たちの見方を参考にして、ポジションを取ってしまったのです。
この頃、多くのアナリストが、「これからはユーロ安になるだろう」と言っていました。時期的には、2011年のギリシャショックが起こったときです。
当時はユーロに対する不信感が一気に高まっていました。ギリシャがユーロ加盟国であり続けるために満たさなければならない条件をごまかしていたことが発覚し、イタリアやスペイン、ポルトガルといった南欧諸国の債務までもが懸念材料になり、ユーロはいずれ崩壊するのではないかという見方も浮上しました。
これだけの悪材料があれば、ユーロ安になると思うのも当然でしょう。実際、2012年7月にかけて、ユーロは対ドルで売られ、一時は1ユーロ= 1.2ドル割れ寸前まで下落していました。この動きに乗じて大儲けできるのではないかと考えて、私もユーロ売りのポジションを持ったのです。
ところが、そこからユーロは上昇し、2014年にかけて1ユーロ= 1.4ドルを目指す動きとなりました。その先はご存知のように、ユーロは再び下降トレンドに入り、2017年1月には1ユーロ= 1.03ドルまで下がるのですが、私はこの2014年にかけてのユーロ高局面で、大きな痛手を被ることになったのです。
この局面で、株式投資などで運用していた800万円の資産をほぼ失ってしまったわけです。精神的なダメージが大きくて一時的にトレードを封印しました。
(『FX 億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』より引用)

2017年のドル/円の終値は、1ドル=112円でした。2018年の年初に、金融機関の為替アナリストの中には「FRBの追加利上げで、日米金利差が拡大し、円安ドル高が進行し、1ドル=120円もありえる」と予測している人が多くいました。

それが、この記事を書いている時点(2018年1月30日)では、1ドル=108円台に突入し、円高ドル安に振れています。

そもそも、当ブログ(fxtock.com)が日米金利差を分析した結果は、1ドル=111円が適正レートですから、「1ドル=120円」という予測の根拠自体に疑問を持っています。

アナリストの言葉は鵜呑みにせずに、自分でデータや情報を集めて分析して、自分の相場観を築き上げていくことが重要だと思います。

中長期のポジションでは損切りをしない

それでは、大きなトレンドに沿ってポジションを持ったのに、アゲインストになって含み損が生じたときにどう対応するのか?
おそらく、FXをやっている大半のトレーダーにとっては、素早く損切りをして、次のチャンスに備えるというのが模範回答だと思います。特にレバレッジを高めてポジションを持っていると、場合によっては強制ロスカットされてしまうケースもありますから、自分で水準を決め、素早くロスカットするのは賢明な投資行動だと思います。
私も当然、損切りをする事はあります。ただし、それは日々の小さな値動きを取りに行って、自分の思惑とは逆に降らされた場合に限ります。私の場合、中長期で大きなトレンドを取りに行くスタイルがメインになるわけですが、そうしたポジションに含み損が生じた場合は、我慢します。
大きなトレンドを狙ったときは、自分の信念を決して曲げません。例えば、中長期的に円高だと考えてドルを売っている最中に、意に反してドル高が進んだ場合、含み損が300万円、400万円と増えていってもあきらめません。
大きなトレンドを見るにあたって、自分の見通しを外れないという自信があることが一つの理由ですが、もう一つ、過去の為替レートの値動きをずっと追っていくと、米ドル/円もそうですが、「長期的に見ればレンジ相場が続いている」ということがあります。時折、1ドル= 147円台とか、逆に75円台とか、極端な方向に突っ込む事はありますが、それこそ過去20年、30年の米ドル/円の値動きを見ると、1ドル= 100円、120円近辺に収斂していく傾向が見られます。したがって、大きなトレンドに沿ったトレードをしていれば、いつか必ず含み益に変わるものだと信じているのです。
そして過去、実際にそのようになってきました。
(中略)
よほどおかしなレートでエントリーしてしまったようなときには、なかなか戻ってこないこともあります。しかし、逆の言い方をすれば、よほどおかしなレートでエントリーしない限り、多少、見通しとは逆の方向に相場が動いたとしても、時間が経過すれば戻ってくるということです。
(『FX 億トレ! 7人の勝ち組トレーダーが考え方と手法を大公開』より引用)

これは、FXだけではなく株式投資にも当てはまる考えだと思います。長期投資を前提としたトレードでは、日々の値動きは問題ではありません(強制ロスカットの恐れがあれば話は別ですが)。長期的に見て、利益が上がれば良いのです。日々の値動きに一喜一憂する必要はありません。

 

上で紹介した以外にも、この本には、FXを長期投資で行う投資家の皆さんに役立つ内容が載っています。特に、貿易会社経営の実務を活かして年間5000万円の利益を上げるスイングトレーダー・Gさんの話は、中長期的なトレードをメインとしているので、参考になると思います。

ただし、この本のメインは、チャート分析をメインとしたスキャルピングやデイトレードです。長期投資という観点からは、この本のオススメ度は3/5です。スキャルピングやデイトレードをメインとする方には、オススメ度は4/5です。

 

おすすめ度の説明

★★★★★(5/5):時間がなくても、必ず読むべき本

★★★★☆(4/5):必ずとまでは言えないが、読むべき本

★★★☆☆(3/5):他に読む本がなければ、読んでもよい本

★★☆☆☆(2/5):特にやることがなく暇で困っていれば、読んでもよい本

★☆☆☆☆(1/5):読んではいけない本(読むこと自体が害である)

 

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